●腎虚(じんきょ)タイプ【卵巣機能失調型】
先天的問題やストレス・疲労などにより下垂体や卵巣機能が失調し、ホルモン分泌のバランスが崩れてしまった状態です。
ホルモン分泌が崩れ、卵胞や卵子の発育が不足となり低温期のエストロゲン分泌が低下することで子宮内膜が薄い・スムーズに排卵しない・黄体機能不全のため高温期の温度が上がらない・多嚢胞卵巣症候群などの症状が見られる事があります。
その他、性欲減退・下半身がだるい・耳鳴り・めまい・生理不順・生理周期延長・生理の出血が少ない・生理血の色が淡いなどの症状が現れます。
●気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ【元気不足・貧血傾向型】
疲労・ストレス・胃腸虚弱等により気血が不足した状態です。この状態が長く続くと、子宮に行く血液量が減り、生理周期が長くなる・生理の出血量が少ない・血の色が淡い・貧血やめまい、などの症状が現れます。その他、血の不足が強い場合には不安感・涙が出る、等の精神症状が出る事もあります。
●気滞(きたい)タイプ【ストレス型】
主にストレスが原因です。ストレスにより気が滞り(気滞)、めぐりが悪くなった状態です。この状態になると、気とともに血も滞り(お血)、新鮮な血液が身体を巡らなくなって基礎体温の上下動も大きくなります。脳下垂体のホルモンバランスが乱れて高プロラクチン血症や排卵障害が起こる事もあります。その他、イライラ・怒りっぽい・乳房が張って痛い・腹部が張る、等の月経前症状が起こりやすくなります。
●お血(おけつ)タイプ【血液停滞型】
ストレスや気血の不足により、気血の循環が悪くなった状態(お血)です。この状態になると、生理の血液に血の塊が混じります。生理痛も生じやすくなり、生理血の色が暗い・眼の下にクマができやすい・皮膚の色素沈着・などの症状が出てきます。これは血液循環が悪くなっている信号です。
特に骨盤内の血液循環の滞りにより下腹部や足の冷えが起こることもあります。子宮筋腫・卵巣嚢腫・卵管障害や着床障害などの方によく見られるタイプです。
●痰湿(たんしつ)タイプ【水分停滞型】
飲みすぎや食べ過ぎ、脾の不調、冷え、等が原因で体の水分代謝が乱れ、排泄されるべき水分が、滞り停滞している状態です。痰湿はお血と同様に滞る性質があるので、排卵の邪魔をしてしまいます。
多嚢胞卵巣症候群・卵巣嚢腫などの方によく見られるタイプです。色白で水太り体型に多く、体のむくみ・下痢・軟便・体がだるい・おりものが多い、等の症状が見られます。
5つのタイプをあげましたが、必ずしも1つのタイプだけが現れるというわけではなく、腎虚タイプがベースとなっていくつかのタイプが重なっている方も多く見られます。